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防災と護身は紙一重。災害大国の日本で出来ること

 日本は地震や台風など、年間を通して災害が多い「災害大国」です。直近でいうと、2024年の1月に起こった能登半島地震や、宮崎県や福島県などでも大きい地震が多発しています。さらに南海トラフ巨大地震においては、マグニチュード8〜9クラスの地震の30年以内の発生確率が約80%と、いつ発生してもおかしくない状況です。もし災害が起きた場合、避難所生活や停電など、普段とはまったく違う環境で過ごさなければなりません。そこで今回は、「護身」と「防災」の深いつながりについてご紹介します。

「護身」と「防災」のつながりとは?

 一見関係がないように思える「護身」と「防災」ですが、実はこの2つにはある共通点があります。それは、「自分や家族、大切な人を守る」ということです。「護身」と「防災」は目的が一緒だからこそ、セットで考える必要があります。また、災害が起きた時によく聞くのが『災害が起きたときは治安も悪くなる』という言葉です。実はこの言葉は間違いではなく、実際、停電が起これば暗くなって周囲は見えなくなり、避難所では不特定多数の見知らぬ人と生活を共にします。またその間は自宅はもぬけの殻状態です。このような状態になると、窃盗や性被害だけでなく、空き巣などの重大な事件が発生する可能性も高くなります。災害時に気を付けることは「防災」だけじゃありません。事件や被害を回避するためにも、「防災」と併せて「護身」をセットで対策する必要があります。

被害の実態

 災害が起こった後には空き巣や窃盗、主に女性や子どもへの性的被害などの事件が起きてしまいやすいという傾向があります。それは震災被害に遭ったことで普段のように生活が出来ないことへのストレスや、普段地域の安全に気を配っている警察官が行方不明者の捜索や災害箇所の安全確認などに回ることで、治安保持へ気を配ることが難しくなりいつもは抑制されている犯罪などが起きやすくなってくるためと考えられます。このようなことは東日本大震災や能登半島地震でも起きていたと言われていますが、そういう報道はニュースなどではされていません。
 また、被害に遭った方も被害届などを出す方もあまりいないため人々にあまりこのような状況は認知されていないのが事実です。しかし、日本は地震が多い国で、ここ数年大きな地震が起きる頻度が高くなっているので、このようなことが起きているのだと認知を高めていく必要があります。

実際に起きた事例

 日本では2011年3月の東日本大震災、2016年4月の熊本地震、2024年1月の能登半島地震などが主に大きな災害として挙げられますが、この時も災害に便乗した窃盗や性被害、空き巣等が実際に起こっていたのが事実です。火事場泥棒、いわゆる「火事場の騒動にまぎれ、泥棒をする人」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、火事だけでなく地震や津波などの災害に便乗する人も多く、災害発生後には前年よりも犯罪発生数が増加したというデータもあります。
 避難所に避難している隙を突いて、人がいない住宅や店などから金品を盗むケースも多いですが、不特定多数が共同で生活する避難所内での窃盗も後を絶ちません。避難所はセキュリティ面が強化されていないので、盗難や置き引きが起こりやすいです。警察庁によりますと、8年前の熊本地震でも現金や商品券、タブレット端末などが盗まれる窃盗事件が相次いで発生し、合計43件が検挙されました。

 貴重品の窃盗と同様に多いのが、女性の性被害です。昨年の能登半島地震でも多くの性被害が報告されました。災害時に実際に起こるケースが下記のような被害です。

・避難所で着替えをのぞかれた
・夜に男性が布団の中に入ってきた
・物資の支援と引き換えに性的行為を要求された
・トイレ等、女性が1人で行動していたら暗い場所で裸にされた

 災害時にこのような事例があったというのは信じられないと思いますが、全て実際にあった出来事です。避難所や仮設住宅で普段と違う生活を強いられていると、普段起こさないようなことを起こす可能性があります。子どもが被害に遭うケースも報告されています。また同時に、周囲の人は誰一人、見て見ぬふりをして助けてくれなかったという声も上がっています。もし、自分自身や家族、大切な人が、災害時にこのような被害を受けたら、身も守ることが出来るでしょうか。

「防災」とセットで考えたい「護身」用品

では実際に、どのような護身用品が災害時におすすめなのか紹介をしていきます!

防犯ブザーやホイッスル

 防犯ブザーはストラップを引っ張るだけ、ホイッスルは吹くだけで大きな音を鳴らすことができ、瞬時に周りへ緊急事態を知らせることが可能です。避難所での人気がないところで不審者に襲われそうになっている時だけでなく、がれきなどに埋もれて自力で脱出できない時にも役立ちます。長時間大声を出すのは体力を減らしてしまう心配があるため、こういうアイテムをひとつ持っておけば災害時はもちろん、普段の防犯対策としても安心できます。

フラッシュライト(懐中電灯)

 強力なライトは防犯対策や護身にも役立ちます。相手の視界を一時的に奪う目くらまし効果が期待でき、その隙に逃げる時間を確保します。超小型で持ち運びもしやすく、操作方法もシンプルなので、簡単に使用出来ます。護身のためのご使用も出来ますが、停電時の明かりや避難経路を確保する際にも役立ちます。

催涙スプレー

 護身用品として定番アイテムの催涙スプレー。災害時の混乱に乗じた犯罪から身を守るために非常に効果的です。唐辛子成分を用いているため、安全性も高いのが特徴です。押すだけで使えるので、性別年齢問わずどんな方でも使用できます。相手との距離をとりながら使用できるのもメリットで、相手が怯んでいるうちに逃げたり助けを呼ぶことが出来ます。

まとめ

 突然の災害や犯罪は出来ることならば、誰もが遭いたくないものです。しかし、それらに遭わないようにするための備えも重要です。自分には関係ないとは思わずに防犯・護身意識を持つことで事件に巻き込まれる可能性を低くすることは出来ます。「防災」と「護身」をセットで考えることで、災害時でも冷静に行動しやすくなります。今すぐできることから始めて、万が一に備えましょう。