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知らないと危険?!SNS防犯~写真編~

知らないと危険?!SNS防犯~写真編~

 インターネットが普及し、SNSが当たり前になってきた世の中。FacebookやX、InstagramやThreadsなど多くのSNSで簡単に情報発信ができる時代になってきました。しかし、その何気なくアップしている写真が、犯罪に巻き込まれるきっかけになってしまっているかもしれません。そこで今回は、今すぐ始められる、簡単なSNS防犯を紹介していきたいと思います。

SNSの何が危険なの?

 SNSの情報を組み合わせて個人を特定する方法をモザイクアプローチといいます。投稿された複数の文章・画像を組み合わせて住んでいるエリアや職場・学校などを特定します。犯罪グループはこのような方法で個人の住所や生活パターンを把握し、住居侵入や窃盗などを行います。つまり、何気なくSNSにアップしている情報がリアルな犯罪の入り口になってしまうということです。

 最近では、情報を集めて犯罪グループに売るリサーチャーのような職業も存在するほど、SNSはさまざまな犯罪に悪用されています。空き巣などの窃盗被害だけでなく、SNSを通じた詐欺や誘拐、ストーカーも増加傾向にあるようです。

こんな写真をアップしていませんか?

 知らず知らずのうちに写真の中に写り込んでしまうあなたの情報。下記のような写真を撮っていると、いとも簡単にあなたの住まいなどが明らかになってしまいます。

カフェ等の店名が入った飲み物

 店名はカップのロゴなどから分かってしまいます。もし支店が複数ある場合でも、写真に写っているほかの情報を組み合わせれば該当店舗は特定できるので、居住エリアが簡単に絞り込めます。

サングラス、車、道路に設置されているカーブミラー

 反射するものには『映り込み』に要注意。お店の看板や撮影者の顔が映っていた…なんてことはよくあること。ほんの些細なこれらが個人や居住エリアを特定するヒントになります。被写体の瞳、お店のショーケース等、反射するあらゆるものには注意が必要ですね。まさかこんなところには映り込まないだろう……というところにも注意です。

ポーズ付きの写真

 例えば、皆さんがよくするポーズの「ピース」。信じられないと思いますが、その写真から指紋を読み取って悪用するケースもあります。最近のスマホカメラは高画質で、少し離れた場所から撮影した写真でも、指紋情報を抜き出すことは可能となります。指紋が抜き取れれば、スマホやオートロックの指紋認証なども解除できてしまいます。こんなスパイ映画のようなことが実際に起こっているのが驚きですよね。

ガードレール、マンホール、電柱や自動販売機

 「ガードレールなんてどれも一緒でしょ?」と思いがちですが、実は地域ごとにデザインが異なります。例えば、東京都の場合は区ごとに違ったりします。マンホールのフタも同様です。通っている学校や職場のことをSNSでつぶやいていたら、居住エリアが絞り込まれ、生活圏はある程度特定できてしまいます。もし、電柱や自動販売機が写真に映り込んでいる場合も危険です。これらには設置場所の住所が表示されていることが多いので、居住エリアを特定する大きなヒントになり得ます。

自宅で撮った写真にも危険がいっぱい?

 自宅で撮った写真にも実は危険が潜んでいます。家や家族を守るためにも、SNSにアップする時は注意が必要です。

自宅の外観→家や車を撮った写真は窃盗犯に目をつけられる可能性があります。家の画像とグーグルアースを照らし合わせれば、住所まで特定できてしまいます。

洗面所などでの自撮り写真→住宅情報サイトにはその物件の水まわりの情報等が公開されています。洗面所の写真を画像検索すれば物件名が分かる場合も。また、鏡越しに個人情報が映ってしまう可能性も。

家の鍵が映り込んだ写真→メーカー名や鍵番号が分からなくても、鍵の写真さえあれば3Dプリンターなどを使って簡単に合鍵を作ることができます。

テレビの画面の写真→テレビ番組のタイムテーブルや放送局は地域によって異なります。また、ローカル番組等、番組によっては住んでいる都道府県をピンポイントで特定できることも。

実際に起きたストーカー事件の事例

 2020年2月、ネット上でも騒がれたネットストーカーの事件をご存知でしょうか?被害者はアイドル活動をする20代。「SNSに投稿された女性の顔写真の瞳に映る景色を手掛かりにし、マンションを特定した」というあっと驚く事件。このように、他人事ではなく、身近なところで犯罪になり得る可能性があるということを留意しておく必要がありますね。その時の手口はこんな感じです。

①SNSに投稿された顔写真の“瞳”に映った駅の景色を確認

②Google(グーグル)の「ストリートビュー」で特徴が似た駅を発見。駅で待ち伏せて、後をつけマンションを割り出す

③投稿された動画に映っていた、カーテンの位置や柄、光の入り方から部屋の位置を推定

④ライブ配信中にインターホンを押して、部屋番号を特定

それでも写真をアップしたい!!どうすれば良い?

 以上のように、名前や住所が分かる物はもちろん、駅やビルなどの特徴的な建物などが映り込むことには注意が必要です。しかし、瞳の映り込みまで意識して写真を撮るのは正直大変です。また、旅行などの写真をアップして、SNSを通じて思い出を共有したいですよね。そこで、簡単に実践できる、ネットストーカー対策をご紹介します!

SNSの公開範囲設定

 SNSでは、自分の投稿をどこまでの人が閲覧できるか設定することが可能です。不特定多数に情報発信することが出来るのはSNSのメリットですが、場合によっては情報の公開範囲を制限する必要があります。

SNSの画像は位置情報オフ

 カメラやスマホで撮った画像には「Exif情報」というデータが含まれていることがあります。そのデータの中には、GPSによる位置情報や撮影日時なども含まれるため、何気ない投稿でもプライベート情報が丸見えになってしまうのです。スマホ等の端末の位置情報サービスをOFFにしておくのが無難です。

画質を下げる

 SNSへの画像や動画の投稿は、スマホなどの端末で撮影するのがメインだと思います。最近のスマホのカメラは性能も良く、高画質・高解像度での撮影も可能です。一方、それが個人を特定しやすくする要因でもあります。撮った写真から情報を解析されないためにも、画質を下げたり、ぼかしを入れるなどの対策も大事になってきますね。

まとめ

 自分がSNSにアップした写真の中に、どれくらい個人につながる情報が潜んでいるのか?1つ1つは小さく断片的なヒントでも、それらをつなぎ合わせていけば個人を特定できてしまいます。犯罪に巻き込まれないためには、SNSの利用には危険が伴うことを共通認識として持つこと、そして写真を投稿する前に、個人につながる情報が入っていないかをチェックすることが大切です。