
近年、時と場所を選ばず、「刃物」を使った無差別な犯罪が増えています。1月末にJR長野駅前で通り魔により男女3人が被害者となった殺傷事件や、昨年12月には福岡県北九州市の中学生の男女2人が面識のない男に刃物で刺される事件がありました。また先日岐阜県でも、朝の路上で腹部を切りつけられ、内臓が見えている状態だったという程、何とも悲惨な事件が相次いでいます。特に逃げ場の限られる電車内などの狭い場所や、すれ違いざまに被害に遭う路上等の通り魔的な犯行の場合、いつターゲットにされてもおかしくないです。
そこで今回は「刃物」を使用した凶行や、新幹線や電車・バスなど、逃げ場の限られた狭い場所で事件に遭遇したらどうするべきか考えていきたいと思います。
「刃物」による事件に遭ってしまったら
刃物などの危険物を振り回す人に遭遇した場合、自分から少し離れた場所で事件が起きていた時は迷わず逃げましょう。また逃げる途中に振り返って相手と目が合ってしまうと追いかけてくる場合があるため、逃げる際は決して振り返らないようにしましょう。最近ではインターネットやSNSが普及し、危険な目に遭いそうになっているのにも関わらず、動画を撮影したりアップロードしたりする人も多くいます。「自分は被害に遭わない距離にいるから」と立ち止まってスマホなどで状況を撮影をしていると、他の人の逃げ道を塞いでしまったり、撮影に集中する事で周囲の異変に気が付きにくくなります。携帯に夢中になっていると逃げ遅れ、被害に遭ってしまう危険も高まりますので、離れているからと立ち止まらないようにしましょう。
一方、相手の手などが届く範囲にいて逃げる事が難しい場合は、背中を見せると相手の攻撃等が見えず危険なため、相手の動きから目を離さず、身近なモノを使用して身を守りましょう。
身近なモノで身を守る
まず最重要なのは、いざ事件にあってしまったら逃げることです。ただ、2025年1月末に起こったJR長野駅前の事件では、長野駅前のバス乗り場付近で男女あわせて3人が男に刃物で次々と刺され1人が死亡、2人が重軽傷を負いました。また北九州市の中学生殺傷事件も犯行時間は30秒足らずだったと報道されています。逃げる間もなく見知らぬ人に刃物で切り付けられるような場面に遭ってしまい、どうしても避けることができない場合は手近にある荷物等で防御するのが有効です。特にビジネスバッグや通学鞄など書類や教科書などの紙が沢山入ったカバンは刃物ではなかなか突き刺せないので緊急時の一時的な盾として使用する分には十分です。また旅行や出張などの行程でキャリーバッグやボストンバッグなどの大きいカバンが近くにある場合はそれを盾にして一時的にでも身を守る姿勢をとりましょう。
具体的な言葉で助けを求める
万が一通り魔事件に巻き込まれた場合、ただ悲鳴を上げているだけでは、周囲の人も何が起こっているのか分かりません。事件に遭遇した際は「警察を呼んでください!」など具体的な言葉で叫びましょう。また電車内等の狭い場所では、「刃物」や「危ない」等の危険を連想しやすい単語を使用すると、現場の状況が見えない位置にいる乗客もパニックになり、逃げようとして押し合いになる事も考えられます。可能なら「隣の車両に移動してください」「ドアが開いたら出てください」等、行動を具体的に指示することで周囲の人も避難しやすくなります。
逃げ場の限られた場所では…

日本は銃社会ではないため「凶行の大半は刃物」で発生しています。ただ一方で、相手から距離を取ることができれば直接的な負傷を避けることは可能になります。新幹線や電車内など逃げる場所が限られている場合、相手が取り押さえられるまでただ逃げるだけでは逃げ場がなくなる危険もあります。昨年に発生した、JR山手線車内で起こった刃物での事件も大きな話題を呼びました。乗客4人が刃物で切り付けられ、このうち3人が脇腹や背中などを刺され重傷を負った事件です。こういった限られた場所での無差別事件は想像している以上に各地で起こっています。
しかし、中には大きな被害が出なかった事件もあります。2018年に発生した東海道新幹線車内殺傷事件です。JR東海の車掌の指示で多くの乗客が座面を取り外して盾として使用したという事例です。犯人が振り回す刃物が直接当たらないように厚みのある物が自分との間にあるだけでも生存率は変わってきます。これは新幹線だけでなく、在来線や路線バスでも座面を外せる場合がありますので、覚えておくといざという時に役立ちます。
相手を取り押さえる必要がある場合は?
もしも、刃物を持った相手を取り押さえる為など、対峙するような状況になる場合は、さすまた等の長物護身用品が有効です。さすまたは1人で使うより複数人で使用する場合に大きな力を発揮するので、さすまたを使用する際はなるべく複数人で使用・対応しましょう。また、さすまた等の長物護身用品が近くに無い場合は、防刃グローブ等の防刃用品を身につけることで刃物で負傷する可能性を下げる事ができます。
「刃物」をもつ犯人に絶対してはいけないこと
突然、しかも背後から襲われた場合は、正直どうしようもないというのが現実です。しかし、それをなるべく事前に防ぐ方法はあります。また、襲われた際に被害を拡大してしまう「危険な行動」というのも存在します。各地で相次ぐ刺傷事件に不安を募らせている人も多いでしょう。自分や大切な人の身を守るためにどうしたらいいのか、具体的な対策について説明していきます。
- 声をあげる
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突然刺されてしまった、目の前で遭遇してしまったという場合には別ですが、目の前に刃物を持った人物が現れたとき、声をあげて自分の存在を知らせたり、犯人を刺激したりしてしまうと、犯人のターゲットになりやすいです。被害に遭わない距離にいた場合は、騒いだりせず一目散に逃げることが大事です。
- 背中を向けて逃げる
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目の前に刃物を持った人間がいれば一目散に逃げ出したくなりますが、それでは犯人の攻撃から目をそらす危険な行為にもなります。背後から襲われてしまうと、防御をすることもできません。凶器による攻撃が届く範囲にいる場合は、犯人のほうを見ながら、後ずさりし、つねに犯人を視界にとどめておきましょう。犯人の攻撃範囲から出て、距離をとることができて、なおかつ犯人が背中を見せるなど、こちらから注意がそれたタイミングがきたら全速力で走って逃げるのがベストです。
- 戦う
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自身の腕力に自信があったり、犯人が小柄だったりすると、勇敢な人は立ち向かおうとするかもしれませんが、それはとても危険な行為です。アメリカでも、テロ対策として「ラン(Run)・ハイド(Hide)・ファイト(Fight)」という手法を推奨しているように、まず、走って逃げる。次に隠れて身の安全を確保する。そして、最終手段として戦う。あくまでも最終手段という選択肢となります。
実際に何が出来る?

事件に遭遇する前に、最初に身を守れる方法があります。とにかく周りに気を配り、不審者から距離をとることです。不審者と至近距離で対面しないためには、不審者をできるだけ遠くで、いかに早く見つけられるかです。スマホばかりに集中したり、イヤホンをして周囲の音を遮断していたりすれば、不審者発見は遅れてしまうし、襲われたときにも初動が遅れます。
2021年に京王線車内で起きた刺傷事件があります。ハロウィーンの10月31日、京王線の車内で、男が乗客たちを無差別に刃物で襲った事件です。男性1人が意識不明の重体となり、車内には火が放たれる大惨事となりました。犯人の男が「ジョーカー」のコスプレをしていたことから、「ジョーカー事件」とも呼ばれています。この事件で問題になった点は、乗客が隣の車両から走って逃げてきているにも関わらず、ヘッドホンをしていて逃げ遅れている人がいたことです。スマホに夢中になっていたり、イヤホンで周囲の音を遮断していたりする人の姿は、最近では当たり前に見られますが、これらは非常に危険な行為となります。イヤホンをするにしても片耳は空けた状態にしたり、スマホをずっと眺めるのではなく、頻繁に顔を起こしたりすることで、初動への反応速度を上げることができます。普段から注意して周囲を見るようにすれば、あなた自身、そして大切な人を守ることができるかもしれません。
「刃物」から身を守る護身用品
いざという時に身を守る為の護身用品。しかし「刃物」に対して実際にどんなものを用意すればよいのかわからないこともあると思います。そこで「刃物」から身を守るための護身用品を中心に紹介していきます。

刃物の切り付けから手や腕を守ることができるセットです。日本は刃物の犯罪が多い事から、単品でもとにかくよく売れている商品です。まずはこのセットがあれば手、腕周りの心配が減ります。両手、両腕分がついています!

圧倒的に刺しに強い!突き・刺しにも強い防刺・防刃Tシャツです。Tシャツということで、防刃ベストのように着ぶくれ・かさばることなく普段からでも着用がしやすくなっています。少し厚手のTシャツ程の生地感ですが、防刃性能は抜群です。従来の防刃商品と比べて圧倒的に刺しに強く、胴体の致命傷を防ぎます。服自体のデザインもシンプルなので日常使いもしやすい点が魅力です。サイズはM,L,XL,XXLがあります。

切りつけだけでなく突き・刺しにも強い、首を刃物から守るネックガードです。首の前方にあたる位置が幅広くなっているので、体格によっては鎖骨付近まで守る事が出来ます。装着固定はマジックテープ式なので、若干のサイズ調整も可能です。防刃Tシャツや防刃ベストと併用する事で、守る範囲をさらに広げる事ができます。
まとめ
どんなに気を付けていても突発的な事件に遭遇しないとは限りません。そんな時、もし事件に遭ったらどうするか、日頃から想像して心構えをしておくだけでも対応速度は変わってきます。また護身において特に大切なのは「逃げること」です。相手を倒したり、捕えたりすることではありません。もし事件に遭遇してもうまく切り抜けることが出来るように護身意識を高めていきましょう。